◯ 世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 VOL16
 江田島孔明

△ イランの核
 国際的孤立を深め、将来に展望がもてない中で、イスラエルの安保政策に転換を迫る事態が起きつつある。イランによる核保有だ。
△ イラン、07年までに核兵器の製造が可能に=イスラエル
 [エルサレム 21日 ロイター]イスラエル情報当局は、イランの核兵器製造可能時期が、これまでの予想より2年遅れて2007年になると推定している。この報告はシャロン首相に提出され、一部がメディアにリークされた。 アナリストは、製造可能時期が遅れる理由について、国際機関による査察を挙げている。 治安筋によると、この報告はイランが3年以内に核爆弾を独力で製造できる手段を獲得する、としている。 イランは、核兵器製造を目指しているとの観測を否定し、核関連の活動目的は発電に限定されている、と主張している。
 またイランは、イスラエルが自国の核兵器プログラム疑惑から国際社会の注意をそらし、中東で唯一軍事的な挑戦を受ける可能性のあるイランに敵対するよう国際世論を誘導しているとして、イスラエルを非難している。イスラエルの治安筋は4年前、ロイター通信に対し、イランは5年以内に核兵器製造が可能になり、イスラエルを核攻撃するため長距離ミサイルを開発している、と主張していた。
 イスラエルは国土に縦深性が無く、先制攻撃に持ちこたえられないため、常に予防的攻撃を戦略の根幹においていた。次の攻撃はイランの核ミサイルである可能性があるため、まさしく、イスラエルを追い詰めていくと核の先制使用しか、選択肢はなくなるのだ。周囲を陸続きで10億のイスラム教徒に取り囲まれ、核の照準を合わされたイスラエルが、孤立化による恐怖心と絶望から先制攻撃に出る可能性は非常に高い。これこそ黙示録の実現だ。かって、イラクの原子炉を先制攻撃した事実を忘れてはいけない。
 更に重大な点として、前号で紹介した論文にも書かれていたが、イスラエルがアメリカを中東大戦に引きずり込むために、その核をアメリカで使用する可能性だ。
<参考>
 カソリックであるトム・クランシーの「トータル・フィアーズ」は、イスラエルによる核テロの示唆に富んだ作品だ。イスラエルの核がボルチモアで炸裂し、それを契機として米露が戦争状態に入るという・・・・ 
http://www.totalfears.com/index.html
<核立国イスラエルの大量破壊兵器」より再掲>
 フランスの原爆計画を率いていたフランシス・ペリンは、1956年という早い段階で次のように書いている:「我々はイスラエルの原爆は、アメリカに向けられていると考えていた。といっても、アメリカ人に向けて発射されるという意味ではなく、『もしあなたがたが我々が必要とする決定的な場面で助けてくれないというのであれば、我々はあなたがたが我々を支援するようにしむけるであろう。さもなくば、我々は(どこかで)核爆弾を使用するであろう』ということである」
 1973年の戦争中にイスラエルは、核兵器の使用をちらつかせて、イスラエルに大量の軍事物資を空輸させるよう、ヘンリー・キッシンジャーとリチャード・ニクソン大統領に迫った。当時の駐米イスラエル大使シムチャ・ディニッツは、次のように語ったと言われている:「もしイスラエルへの大量物資の空輸が即座に開始されなければ、アメリカは約束を破ることになると私は理解しています…そうなれば我々はきわめて深刻な結論を出さねばならなくなるでしょう…」
 このように、中東は間違いなく核戦争に向かって突き進みつつあり、スペインやフィリピンといったカソリック国は、それを察知(バチカンから何らかの情報を得た?)してか、部隊を撤退させた。日本も早急に撤退させるべきだ。もはや、『復興支援』などと悠長なことはいってられないのだ。そして、イスラエル、もしくはイスラエルの代理人としてのアメリカの核使用を正当化する911を上回る大規模テロ(それは核テロであろう)が起きることを、私は心底恐れている。そして肝心なことは、核兵器そのものは既に大量に流出しており、インド-パキスタンを始め地域紛争で実際に使われる可能性は冷戦期よりはるかに高い。しかし、核使用には政治的リスクやタガがあり、その使用が自省され抑止されているだけなのだ。逆にいえば次の核兵器がどこかで使用されたら、そのタガが外れ、連鎖的に核使用が広がることは間違いない。米露ともに冷戦期の抑止戦略から、核の先制使用戦略に切り替えているのもこの文脈で理解すべきだ。

△ イスラム原理主義と核
 更に、アメリカが中国を締め上げる理由は、実は台湾ではなく、中国の中東への覇権や弾道ミサイル拡大阻止である。かねてより弾道ミサイルを中東へ売り込んでいた中国。ここに看過できないニュースが中国から発表されている。往還有人宇宙船『神船』である。この場合、神船自体はたいした意味はない。問題は中国が大気圏再突入型のミサイルすなわち大陸間弾道弾(ICBM)に目処がついたことを意味する。そのフィードバックは間違いなく輸出用弾道ミサイルの高精度化となり、購入予定者(中東)へは魅力的に映るだろう。
 また、中国のみならず北朝鮮も、中東を武器輸出のメインターゲットとしており、それは北朝鮮を封じ込めるためには看過できない事象である。日本を混乱させたテポドンの試射は示威行動だけでなく、武器輸出へのデモンストレーションも兼ねていたと想定できる。
 これらの、中東地域での米国のコントロールできない武器の増加は地域の不安定な要素となり、親米であるアラブ王制に対する『民主化運動』となりかねない。それは米国とイスラエルの長期安全保障にとって絶対に避けねばならない事態だ。(フランスやロシアはまだ、中東武器輸出に関しては米国と『調整』できる相手である)つまり、弾道ミサイルと核がイスラム原理主義者の手で結びつくと、イスラエルとアメリカの安保戦略は、根底から崩れることになるのだ。しかし、イスラム原理主義者が核ミサイルを手にするのは時間の問題だろう。
 私が恐れるのはそのような、テロや地域紛争で核使用が日常化した世界だ。被害は現状と二桁以上違うだろう。問題は、次の核がいつ使用されるかだ。私はこれを「核のチキンレース」と呼びたい。世界の核兵器保有者は次の核がどこで使われるか、固唾を飲んで見守っている。そして、「次の核使用」がタガを外し、核使用の連鎖を生む。私も、この一点だけを注視している。

△ 高まる反ユダヤ感情
 更に、以下のような反ユダヤ、反ハリウッド映画が近年、相次いで公開され、ヒットしている。ハリウッドはユダヤ人の牙城だが、これら映画がヒットしている背景は間違いなく、欧米の反ユダヤ主義台頭、つまり、欧米のユダヤ支配以前への回帰だ。
△ ロード・オブ・ザ・リング三部作
 ご覧になった方は分かると思うが、欧州の古代の多神教をベースにキリスト教以前の世界観への回帰。この映画には白人しか出ず、サウロンが作った金の指輪とは国際金融資本の意味です。第一次大戦に従軍したオックスフォード大学の言語学者である原作者のトールキンは、この戦争が国際金融資本によって引き起こされたことを見抜き、小説の形で世に警告した。
△ ハリーポッター
 欧州の古代の魔女や魔法使いが登場する多神教をベースにした、キリスト教以前の世界観への回帰につき、(1)と同じ。有色人種は端役で、少数のみ出演。
 カソリックのメル・ギブソン作パッション(キリスト教右派とシオニストユダヤを離反させる効果あり、イスラム圏でも大ヒット!!)
<参考>
 キリストの受難を見た!!Byコバケン
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k6/160321.htm
<参考>
http://www.ohtan.net/column/200303/20030308.html
 (3)キリスト教右派とユダヤ人脈は提携している?
 「キリスト教右派であれ何であれ、そもそも原理主義的なキリスト教を標榜する以上、聖書の記述に忠実だということであり、新約聖書が反ユダヤ的文書であることは明らかである(・・新約聖書が編纂されたのは、ユダヤ人の対ローマ大蜂起鎮圧の直後であり、ユダヤ教との違いを強調し、キリストがユダヤ人に殺されたとユダヤ人を非難することで、(ユダヤ起源の)キリスト教に対するローマの風当たりを緩和しようという意図を込めて、新約聖書の各篇の執筆が行われたとされている・・)
 ことからして、キリスト教右派が真底親ユダヤ人的でありえるはずはありません。両者が提携している部分があるとすれば、それは同床異夢の便宜的提携であると解すべきなのです。」

△ 黙示録への道
 私は、VOL.11−13で、彼らと日本の和合こそが、世界を救い、黙示録を避ける道と考えていることを示した。それが、多神教の日本文明の世界史的意義と思っている。しかし、現実には、『もう間に合わない』可能性を懸念している。アメリカのキリスト教右派は黙示録実現を望んでいるようだ。米国には聖書の歴史的事実をそのまま信じ、伝統的な家族像を重視するキリスト教福音派の信徒たちが人口の四割を占める。
 ただ、彼らは保守的な宗教観を持つだけで原理主義者ではない。原理主義者はこの中でも、理念実現のために、選挙という政治力や戦争という武力を使うことすら辞さない人々だ。彼らは聖書の世界に生きている。保守的な家族像を尊ぶ以上、例えば同性愛者や中絶容認派への攻撃は当たり前。
 世界規模では新約聖書の「ヨハネの黙示録」に描かれたキリスト陣営とサタン陣営の戦争である「終末戦争(ハルマゲドン)」をかたくなに信じ、その後に新世界を展望する。
 一九九五年にプリンストン宗教調査研究所が行った調査によると、その数は成人人口の18%であり、その数の大きさが分かる。なお、シオニストとキリスト教右派の利害はこの「黙示録実現」においてのみ一致しているとみるべきだ。
 すなわち、最悪の場合、日本まで巻き込まれた形での黙示録実現だ。ブッシュ政権が狙う自衛隊の中東シフトはこの文脈で理解すべき。マスコミや自民党が集団自衛権容認に傾いているが、憲法解釈に関わらず、自衛隊は中東へ派遣されている。集団自衛権を認めた瞬間に、自衛隊は全中東へ際限なく派兵され、中東戦争の当事者になるのだ。小泉政権が狙っているのはまさにこれだ。アメリカのこのような意図を正確に認識し、絶対に、日本は来るべき黙示録の当事者になってはいけない。そのような事態になれば、日本の安全保障政策に決定的ダメージとなるばかりでなく、国家存立の基盤まで犯される。よって、可及的速やかにイラクから『自衛隊を撤退』させる必要がある。
 ハルマゲドンとは、「メギドの丘」という意味でイスラエルの地名だという。この地でランドパワー(反ユダヤ=EU中露)とシーパワー(親ユダヤ=英米日)の最終戦争が行われるのであろうか・・・・黙示録は彼ら一神教徒にとって、聖書に予言された論理的帰結なのだ。イスラエルの極右が神殿の丘の岩のドームを破壊するという情報もある。実施されれば、真の黙示録の引き金になるだろう。イスラエル情勢から目が離せない。
 アメリカの大統領選は、現時点でケリー候補の優位が伝えられている。ケリー候補が当選すれば、史上初のユダヤ系大統領(祖父の代に改宗しているが、オーストリアのユダヤ人だった)だ。ネオコンがブッシュ政権を見限ってケリー大統領と組むようなことがあれば、黙示録へ大きく前進することになる。なお、ケリー候補の弟(ユダヤ教徒)がイスラエルを訪問し、親イスラエル政策を確約したようだ。
 現在の最大の問題は、日米英シーパワー連合がイスラエルに引きづられ、EU中露ランドパワー枢軸との決戦に邁進していることだ。この闘争の根幹にあるイスラエル問題を解決しないと、シーパワー連合にもランドパワー連合にも未来ない。

△ 事態の根本的解決
 このように、中東大戦=黙示録実現が迫っている現在、事態を根本的に解決するにはどうすればよいか。はっきりいって、私もわからないが、パレスチナ問題の解決に、日本が協力できることはあると思う。
 それは、実質的に破綻しているイスラエルのユダヤ人を全て引き取り、パレスチナ人に土地を返還し、日本の無人島をいくつか割譲し、東エルサレム共和国を建国させるかわりに、エルサレムをその象徴的首都と認めさせ、往来の自由を保障する。つまり、ユダヤ人の生活は日本で行うが、首都は飛び地のエルサレムとするのだ。これならアラブ側も飲む可能性(エルサレムは彼等の聖地としては三番目であるから)がある。本格的人口減を迎える日本にとっても、知的水準の高いユダヤ人を受け入れることは国際金融資本との利害の一致を見出す上でも意味のあることと思われる。
 戦前の陸軍の反対で失敗した「河豚計画」を再度、実施するのだ。この案の重要な点は、あくまで、東エルサレム共和国という形で独立させ、そこと日本の間の友好条約を締結し、相互扶助と相互不可侵を徹底することだ。そうしないとまちがいなく、日本は乗っ取られる。かっての、欧州諸国や今のアメリカのように。
 三方一両損に近い案だと思うがいかがだろうか。ご意見や反論があれば、下記、グローバルネット掲示板に書き込んでいただきたい。
http://www.tnagao.org/global/bbs/index.html
<訂正>  VOL15の共和党は以下を訂正します。
 スエズ動乱の時、英仏イスラエルに圧力をかけ撤兵させたアイゼンハワー、73年の第四次中東戦争において、敗北寸前のイスラエルの核恫喝を受けるまで軍事物資の支援(実質的にはキッシンジャー主導)に応じなかった(見殺し)ニクソン、レバノンから海兵隊を撤退させ、サウジアラビアに最新鋭兵器を供与し、任期の末期において、ドイツ訪問の際、SS将校が埋葬されたビットブルグ軍人墓地に献花したレーガン、イスラエルへの100億ドルの信用供与を拒否し落選した父ブッシュ。

<参考>  このように、アメリカはイラン包囲網を引き、その中に日本を組み込もうとしている。
△ 日本に協力再考を打診 米、イラン核問題で包囲網
 【ワシントン4日共同】日本企業とイランが2月に調印したアザデガン油田開発契約に絡み、米政府高官が経済産業省当局者に対し「イランに代わりリビアからの石油供給を考えることも可能だ」と伝え、日本にイラン油田開発計画の事実上の再考を非公式に打診していたことが分かった。米政府当局者が4日、明らかにした。
 ウラン濃縮施設準備などの疑惑をぬぐい切れないイランの核問題が、国連安全保障理事会に付託される可能性が高まる中、ブッシュ政権が対イラン包囲網に小泉政権を組み込む意向をにじませた。
 日米関係だけでなく、中東諸国ともバランスを取った経済・エネルギー戦略が欠かせない日本が米戦略に巻き込まれ、板挟みに陥る恐れがある。
 国際社会がイランに核開発放棄を迫っても、イラクの例を見ているため絶対に応じないだろう。
△ 対イスラエル先制攻撃も 核施設防衛でイラン国防相
 【カイロ20日共同】イランのシャムハニ国防軍需相は20日、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラに対し、自国の核施設を守るため、場合によってはイスラエルなどへの先制攻撃も辞さないとの考えを示した。ロイター通信が伝えた。
 イスラエルは核兵器開発が疑われたイラクの原子炉を1981年に空爆し、イランにも同様の措置を取る可能性が指摘されていることから、国防軍需相はイスラエルなどをけん制したとみられる。
 国防軍需相は、もしイスラエルや米国がイランの核施設を攻撃したらどう対応するかとの質問に対し「だれかがわれわれに何かを仕掛けるまで、座して待つようなことはしない」と述べた。
 さらに、米政権が掲げる先制攻撃戦略は「彼らだけの権利ではないと確信している軍事指導者もイランにいる」と付け加えた。
(共同通信) - 8月20日20時58分更
△ ケリー氏が7ポイントのリード=大統領不支持49%に−米誌調査 
 【ワシントン31日時事】米誌ニューズウィーク(電子版)が、7月31日に公表した最新の世論調査によると、米民主党の大統領候補に指名されたケリー上院議員を支持するとの回答が49%と、ブッシュ大統領(42%)を7ポイント上回った。無所属で立候補予定の消費者運動家ラルフ・ネーダー氏の支持は3%。
△ シオンとの架け橋 イスラエル・ニュース
 「ユダヤ人極右組織が神殿の丘への攻撃を企てているとハネグビ治安相が指摘。爆発物を搭載した飛行機で岩のドームに突っ込む作戦や、イスラム指導者の暗殺などの可能性があるという。(H,P)」
http://fresheye.oem.melma.com/mag/45/m00002445/
 「イランの核施設に対する先制攻撃の準備が整ったと、国防軍関係者。外交交渉が失敗した場合には武力行使が可能だと語った。(P)」
http://fresheye.oem.melma.com/mag/45/m00002445/a00000579.html
 「米国大統領選のケリー候補の弟、キャメロン・ケリー氏がイスラエルを訪問し、要人と会談。(H,P,7)」
http://fresheye.oem.melma.com/mag/45/m00002445/a00000578.html
△ ロシアの「死の手」自動核報復システム
http://www.gensuikin.org/nw/doomsd_m.htm
 テロにより、このシステムが起動されたら世界は破滅する。下記国際派日本人情報ファイルに示された「メシェク」とはモスクワであり、ゴグとはロシア軍を指す。イスラエルの核が真北のモスクワを直撃したら「死の手」が起動し、世界は破滅する。

<参考>
国際派日本人の情報ファイル
http://melma.com/mag/56/m00000256/a00000814.html
 地政学者ハルフォード・マッキンダー卿が定義した、欧州・地中海世界などユーラシア外延部や島嶼部に対立する、ユーラシア大陸中央部の聖域『ハートランド』地域の脅威は、決して近代に認識されたものではないようです。
 古代より、即ち旧約聖書の時代から当時の文明圏であった地中海世界地域(小アジア、中東、欧州)で知られていたようです。
 キリスト教・ユダヤ教、イスラム教の3大一神教の経典である聖書には、旧約と新約両方に『ユーラシアのハートランド地域に相当する』最終的に世界を脅かし破滅させる『悪の軍勢』として、『ゴグ』と『マゴグ』というなぞめいた存在が執拗に登場します。
 ゴグやマゴグは聖書考古学上では、黒海、カスピ海のある、ロシア中央アジア地域を指すものと考えられています。ちょうど、マッキンダーが定義したユーラシア大陸内陸部ハートランドにまさに相当する地域です。
 ”人の子よ、マゴグの地のゴグ、すなわちメシュクとトバルの総首長に対して顔を向け、彼に預言してこう言いなさい。主なる神はこういわれる。「メシュクとトバルの総首長ゴグよ、私はおまえに立ち向かう。」(中略)ゴメルとその全ての軍隊、北の果てのベト・トガルマとその全ての軍隊。”(エゼキエル書38章)
 ”サタンはその牢から解放され、地上の四方にいる諸国の民、ゴグとマゴグを惑うわそうとして出て行き、彼等を集めて戦わせようとする。”(黙示録20章)
 ”マゴグは黒海とカスピ海の間に位する地。なおラビ伝説においては、この二つの地名は常に神の敵の代表者として出てくる。”(フランシスコ会聖書研究所注釈より)
 古代イスラエルは地中海に位置する”一大海洋貿易国”でした。栄華を極めたソロモン神殿も、また世界に並ぶものの無い”賢者ソロモン大王”の莫大な富も地中海海上貿易で蓄積されたものです。ソロモン大王は隣国ティルス(フェニキア)と同盟を結び、”タルシシュ船団”と呼ばれる貿易艦隊を組織し、スペインやアラビア半島やアフリカ果てはインド方面まで交易を行っていました。
上記ユダヤのラビ伝承で明らかなように、海洋地域である地中海世界にとって、ゴグやマゴグの地、ユーラシア内陸部は地中海世界にとって、非常に対処が難しい地域であり、未来のある時期あるいは、世界の終末において地中海世界に災いをもたらせる悪の軍勢であるという認識を持たれていたようですね。
 実際、古代地中海世界全体を支配し覇権栄華を極めた『ローマ帝国』もユーラシア内部からのゲルマン族やフン族の民族大 移動により瓦解させられました。
 また歴史的には、ユーラシア中央部を制覇したモンゴルのロシア東欧への侵入なども白人にとって大きな脅威でした。
 印欧語族であるゲルマン族は、聖書創世記に登場するヤフェト(白人の祖)の息子で、アシュケナズの兄弟であるゴメルとの関連性を考古学的に指摘されています。
 以上(江田島孔明、Vol.16完)



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