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◯ 世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 VOL27
 江田島孔明

△ 中国経済の破綻
 アジア共同体論者は中国を経済大国と捉る傾向が強いが、全くの虚構もしくは幻想だ。中国よりの報道しかしないマスコミのミスリードもあるだろうが、根本は中国の歴史に対する無知が原因だ。
 中国経済の破綻につき、私は以前、「世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 VOL9」で予測した。

 <参考>
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091303
 「アジア共同体を唱える中国事大主義者達の前提には、中国が経済大国であり、今後も成長を続けるという楽観的見方がある。
 しかし、最近上海に出張した人の話では、建設途上で中断したマンションがいくつか出始めた由。バブル崩壊は既に始まっているようだ。中国経済の矛盾と罠について、検討してみる。」
 詳細は、上記をお読みいただくとして、現実は私の予測どおりに進んでいる。既に、中国経済の破綻ははじまりつつあるのだ。私が、このような予測を立てた理由はたくさんあるが、根本的には以下の2点に集約される。

(1)中国経済の発展は外資の投下によるもので、自前の資本集積やブランドが無い。
 上海をはじめとする沿岸部の発展とは、日米欧の資本に支えられており、これらの国が資本を引き上げたら即座に沈没する。さらに、中国人の傾向として、まじめさや勤勉さ、繊細さに欠け、製品品質にばらつきがあることから、製造、加工技術に関しても日本には遠く及ばず、中国ブランドの中国製品が世界市場を席巻するのは、夢のまた夢だ。私の友人の家電製品の技術者によると、「末端の下請まで含めた中国の技術力や中国製品の品質は日本に遠く及ばない。いずれ、工場も日本に帰ってくる」と予測している。
 実態は社会福祉制度も無い、奴隷的安値労働力に支えられた経済植民地でしかない。元切り上げ後はこの安値労働力もなくなることが確実だ。以下のような外資撤退は加速するだろう。

 <参考>
△ ユニバーサル上海建設中止・中国側合弁企業が確認
 【上海28日共同】「中国初の本格的テーマパーク「ユニバーサル上海」を米映画・音楽大手ユニバーサル・グループと合弁で建設する計画を進めていた中国企業の関係者は28日、計画が中止になったことを確認した。
 関係者はユニバーサル側が「既に資金を引き揚げた」とし、ユニバーサル側の親会社が今年5月にフランスの娯楽・メディア大手ビバンディ・ユニバーサルから米テレビ局NBCに変わったことが投資計画に影響して「(中止の)主な原因となった」と語った。また、中国政府が経済過熱を抑えるために取っている大規模建設事業の抑制政策とは「関係ない」と述べた。上海市政府は2002年12月にテーマパーク建設計画を発表、8億7000万ドル(約970億円)を投じて06年の完成を目指していた。」

△ 中国の金融自由化
http://kk.kyodo.co.jp/is/column/chinawatch/china-040416.html
 「先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で共同声明をめぐるさや当てが続いていた2月10日。北京の人民銀行では総裁の周小川が今年の重要10施策を承認した。その内容は翌日公表され、2番目の項目が数時間後、世界の市場を揺さぶることになる。
▽ 急接近
 「人民元レートの形成メカニズムを改善する」
 それが元切り上げを意味するのか、単なる制度変更か。市場は真意を測りかねたが、G7から戻った米財務長官スノーは13日の上院予算委員会で「中国は行動に出始めた」と評価してみせた。

(2)発展しているように見えるのは沿岸部の一部だけで、9億人近い人口を抱える、膨大な内陸部や農村、国営企業は不良債権と化している。中国史を通して、圧倒的多数の農民や少数民族は古代から変わらぬ暮らしを続けており、時の政権が彼らを養うことが出来なくなれば、必ず、内乱が起き、政権交代するというパターンを繰り返す。水滸伝や三国志あるいは太平天国の乱のパターンだ。この、「地方の反乱」が以下のように現実のものとなった。都市部へ波及するのも時間の問題であろう。共産党政府を震え上がらせている。歴史的にみて、劉邦から毛沢東に至る中国の支配者は、このような農民の争乱から生まれている。始皇帝の後の農民蜂起のリーダー陳勝の言葉である「王侯将相、いずくんぞ種あらん」とは中国史を貫く真実を含んでいる。

 <参考>
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
△ 平成16年(2004)11月5日(金曜日)第947号
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000758.html
 「河南省鄭州市の中牟県南仁村で起きたイスラム教徒と漢族の殺し合い、民族対立が原因の大暴動は、軍が一万人投入された戒厳令下で、おもてむき沈静化した(11月4日付け『大紀元』)。「鬼城」と化した、と『大紀元』紙は比喩しているが、ようするに幽霊村のごとく不気味な静けさが支配しているらしい。」
△ 平成16年(2004)11月3日(水曜日)第945号
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000756.html
 「河南省の暴動は数千、数万の規模でイスラムvs漢族中国、河南省の南仁村に“戒厳令”を発動」

△ 始まる、分裂と内乱
 どうやら、本格的に分裂と内乱が始まったようだ。
 <参考>
内モンゴルで民族対立
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041109-00000264-jij-int
 未払い賃金騒動で国務院が異例の指示、危機感も
http://news.searchina.ne.jp/2004/1111/national_1111_009.shtml
 【中国】4年間で死者10人以上の炭鉱事故188件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041112-00000011-scn-int 
 民工の暴動や集団自殺が相次ぎ、いよいよ尻に火がついたかたちだ。潜水艦騒動も役にはたたない。生き地獄のような熾烈な競争社会が定着した現在の中国に、処方箋はない。根本的には、携帯電話とインターネット、TVの普及で情報格差がなくなったことが致命的だ。地域格差や貧富格差を放置していながら、情報管制なんて不可能。
 今後、人民元切り上げと、親中派政治家の利権でしかない対中ODA廃止で中国経済は完全に終わり。 中国株を買った者は、自己責任だ。日本企業は、一刻も早く、全面撤退すべきだ。

 <参考>
http://ryutukenkyukai.hp.infoseek.co.jp/oda1.html
 謝罪の名目でむしり取られる国民の血税
前野 徹 「第四の国難」 扶桑社
 「・・中でも日本が最も多額の援助を拠出しているのは中国だ。中国はこの二十年間で、戦時中、日本が中国人を虐殺したとする戦争責任をちらつかせつつ、表向きは友好・親善を掲げて円借款という名目で日本から『6兆円』にも及ぶODAを引き出した。
 旧輸出入銀行経由の借款など一切合切含めると、日本から分捕った金額は中国のGDP8兆円を上回る『10兆円』にも達している。
 円借款は、建前では日本からの借金だが、中国は賠償金変わりに考えており、一切返す気はない。日本政府も同様に考えていて取り立てる意思はないので、事実上『贈与』である。」

△ 世界史の黄金律
 狡猾、残忍、獰猛なランドパワーは信用できない。ランドパワー中国(華北政権)が長期の同盟を継続した事例は歴史上皆無という事実は重要だ。決して、彼らと手を組んではならない。日本の戦前の歴史をみれば、このランドパワーと手を組んだり(対ドイツ)、ランドパワー内部への進出(対シナ)が破滅への片道切符だということがわかるだろう。
 むしろ、日本史を概観すれば、聖徳太子と北条時宗のおかげで、日本は華北政権から独立が出来、「日本」となれたことを理解すべきだ。両氏を「日本独立の父」として理解する必要がある。東アジア共同体論者は、このような先人の英知のみならず、日本史そのものを否定する動きであることを悟る必要がある。
 <参考>
国際派日本人養成講座
△ 「日中友好2千年」という虚構
日本は中国の冊封体制と中華思想を拒否し、適度の距離感を保ってきた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jog/jog_index_frame.htm
 「我々の先祖は1300年も前から「中華思想」や「冊封体制」 という中国側の建前を拒否し、大陸との接触を文化的・経済的 なものに限って、大陸の戦乱に巻き込まれる事を極力避けてきた。日中関係がほとんどの期間、平和に保たれたのは、友好というより、日本側が中華帝国に対して適度の距離感を保ってきた事が原因である。結果的に見れば、それは大成功だった。この先人の知恵を我々は継承すべきであろう。」

△ 地政学の視点で世界を見る必要
 ついに戦国時代を迎えた、今後の国際社会を見極めるうえで、幻想や思い入れを捨て、地政学に基づく、以下の箴言が生き残りのための参考になろう。次回は、地政学のシーパワーとランドパワーの視点で見た中国の今後を考えてみる。
 <参考>
【地政学名言集】
一、隣接する国は互いに敵対する。
二、敵の敵は戦術的な味方である。
三、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
四、国際関係は、善悪でなく損得で考える。
五、国際関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
六、「優れた陸軍大国が、同時に海軍大国を兼ねることはできない(その逆も然り)」
七、国際政治を損得で見る。善悪を持ちこまない。
八、外国を利用できるか考える。
九、日本が利用されているのではないか疑う。
十、目的は自国の生存と発展だけ
十一、手段は選ばない
十二、損得だけを考える。道義は擬装である。
十三、国際関係を2国間だけでなく,多国間的に考える。
十四、油断しない
十五、友好,理解を真に受けない
十六、徹底的に人が悪い考えに立つ
十七、科学技術の発達を考慮する

「英国には永遠の友も永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益だけだ」             英国首相パーマストン
「国家に真の友人はいない」  キッシンジャー
「隣国を援助する国は滅びる」   マキャべリ
「我が国以外は全て仮想敵国である」 チャーチル
「政権は銃口から生まれる」 毛沢東
「共産党が政権をとれたのは日本のおかげ」 毛沢東
「私の地図を見せよ、その国がどのような政策をとるか言い当てて見せる」                         ナポレオン

 <参考>
 これで日本企業は狙い撃ちされることが確実だ。早急に撤退すべき。
△ 海外ブランドの寡占進む 中国版「独禁法」制定へ
 ・商務部と国家工商行政管理総局の支持を受け、中国版「独占禁止法」の制定作業が急ピッチで進んでいる。同総局公平交易局の反独占処によると、同総局は過去1年にわたり、中国市場における多国籍企業の競争阻害行為を調査し、レポート「在中国多国籍企業の競争阻害行為と対策」を作成した。
 ・同総局の関係者は「調査が行われたのは、競争阻害行為をめぐる問題に関して、中国の法律による監督管理には、まだ多くの空白部分があるからだ」と分析する。調査レポートによると、多国籍企業による競争阻害行為を規制する対策の1つとして、市場競争に関する立法を整備し、「不正競争防止法」改正と「独占禁止法」制定を急ぐことを挙げている。これら法律の草案は現在、すでに全国人民代表大会の関連部門に提出されている。
 ・調査レポートは、中国市場に参入した多国籍企業の一部に独占状態が見られつつあり、多くの国内企業が影響を受けていることを指摘。多国籍企業は巨額の資本をバックに、同業他社の買収やブランドの抑え込みで規模と実力を急速に拡大し、中国市場でのシェアや寡占・独占の地位を確立していると指摘した。
△ 中国市場の一部業界をめぐるシェアの状況
・感光材料業界
 コダックがシェア50%以上、富士フィルムが25%以上、コニカなどその他企業が8〜9%を占める。 感光材料(フィルム)を製造する国内企業は現在、楽凱公司1社のみ。市場シェアは15%前後。
・カメラ業界
 カメラ:オリンパス25%、ミノルタ20%、
 デジタルカメラ:キヤノン24%、ソニー22%、ニコン20%
・小売産業
 2003年末現在、世界の小売大手50社のうち40社以上が中国市場に参入している。このうち大型スーパーは、外国資本が80%以上で、絶対的な優位にある。
(編集SN) 「人民網日本語版」2004年11月15日   以上
(江田島孔明、Vol.27完)


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