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今夜の番組チェック


◯ 世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL37
 江田島孔明

△ 朝鮮半島情勢
 防衛庁は想定していないが、日中が朝鮮半島で戦火を交えるケースは無いだろうか。実は私が最も恐れるのはこのシナリオだ。日中の戦闘が発生する可能性が最も高いのは朝鮮半島だ。歴史的に見ても、台湾を中国が軍事侵攻したことは無いが、朝鮮半島では実際に軍事介入が起きたことでも裏付けられる。これは、島国と半島の地政学的条件の差が根本にあるといえる。
 中国にとって、朝鮮半島と台湾のどちらが優先順位が高いかというと、これは間違いなく地続きの半島である。台湾は海の向こうであり、軍事介入には日米との海空戦を想定せねばならないが、半島については圧倒的な陸軍戦力で事足りるし、アメリカとの調整も容易(アメリカにとって朝鮮半島は死活的利害を有していない)だからだ。
 実際、過去の歴史(楽浪郡設置や朝鮮戦争への介入)も、半島への軍事介入はありうることを示している。これは、楽浪郡以来の東アジアの歴史の鉄則だ。逆に言えば、北朝鮮は60年もよくもったと思う。中ソ日米を全て敵に回して・・・

<参考>
 楽浪郡(らくろうぐん)は前漢の武帝が紀元前108年に衛氏朝鮮を滅ぼしたときに、朝鮮半島に置いた四郡の一つ。
 今の鴨緑江から平壌付近を中心とした一帯の地域であり、中国の朝鮮半島支配の拠点になっていた。楽浪郡に隣接して真番、臨屯、玄菟の3郡が置かれたが、紀元前82年に真番と臨屯が廃止され、一部が楽浪郡に併合された。 最盛期は前漢時代で,後漢以後は郡の支配地域が縮小した。
 後漢末期の争乱時には、遼東の豪族公孫氏の配下に入っていた。その後司馬懿の公孫氏討伐により、238年に魏が、265年にそれを継承した西晋の支配下にはいる。しかし、西晋末期の混乱に乗じて313年南下してきた高句麗によって滅ぼされた。

 このような観点から、既に死に体の北朝鮮の始末をどうつけるかと考えた場合、「中国人民解放軍による進駐すなわち保障占領により、金正日一派を一掃し、親中政権樹立」の可能性が最も高い。この点で米中は既に密約があるのではと考える。北京政府が高句麗が中国系だと主張する理由はこの文脈で考えるべきだ。

<参考>
 北朝鮮崩壊時、兵員20万人派遣=中国が計画作成−米研究者
 【ソウル24日時事】米国の対北朝鮮強硬論者であるホロウィッツ・ハドソン研究所首席研究員は、北朝鮮情勢について「中国が既に金正日労働党総書記の後継者として『ある将軍』を選定した」と指摘した。その上で「この将軍が権力を掌握した北朝鮮に、20万人の人民解放軍を送るシナリオを、中国が作成済みだ」と語った。
 ワシントンで23日に開かれた講演会での発言を、韓国紙・朝鮮日報が25日付早版で報じた。それによると中国は、金正日政権の維持に必要なコストがあまりにも大きいため、政権交代論に傾いたとしている。 
(時事通信) - 12月24日21時1分更新

 そして、仮にこの人民解放軍による北朝鮮保障占領が実現した場合、韓国は完全に中国の傘下となり、日本は中韓の軍事圧力に直接さらされることとなる。この場合でも米軍の韓国駐留は維持されるだろうが、全くの名目だけとなり、韓国は完全な中国の傀儡となる。その上、北朝鮮の日本海に面した港が中国海軍の手に入ることとなり、日中は日本海でも対峙することにもなる。
 これは、まさに元寇や日露戦争の頃と同じような戦略状況だ。韓国軍の仮想敵の第一は北朝鮮だが、第二は常に日本だったのだ。かって、李承晩は日本を攻めようとしてマッカーサーに阻止されたことを忘れてはいけない。

△ 朝鮮半島の地政学的位置づけ
 朝鮮半島の地政学的かつ歴史的位置付けとはどのようなものだろうか。北朝鮮は中国の傀儡だとの見方がある。しかし、実際は北朝鮮はその設立当時ソ連の傀儡ではあっても、中国の傀儡とはいえず、北朝鮮は中国にとって緩衝地帯であったため、最低限の援助をしていただけであり、中朝関係は常に緊張しており、敵対関係にあったともいえる。
 これは、現在中朝国境に10万人規模の人民解放軍を配置していることからも、いかに中国が北朝鮮を危険視しているか分かる。北朝鮮はある時期からソ連からも見限られ、日米に助けを求めており、その命脈は尽きようとしているというのが真相だ。

 朝鮮半島はその歴史を通して、大陸の大ランドパワーがシーパワーを攻撃するための回廊あるいは先兵ランドパワーとシーパワーの緩衝地帯のいずれかに相当する。これは、朝鮮半島に限らず、独仏を中核とする大陸欧州についてもあてはまる、「半島」の地政学的宿命だ。

 歴史的に見ても大陸に大ランドパワーが成立すると、朝鮮半島はその圧力を直接受け、軍事力のベクトルは必ず日本に向くことで分かる。これは古くは白村江の戦いや日本への元寇を高麗が先導した頃から、朝鮮戦争に至るまで、変わらぬ地政学上の真理だ。
 はっきりいえば、「鴨緑江を南に渡った勢力は必ず日本に敵対する」というのは東アジアの歴史を貫く鉄則だ。現在ではこの場合でも、米海軍と海上自衛隊で安全保障は十分に可能だが、逆に言えば、北朝鮮をある意味で「管理された危険」と位置づけ、南北を分断し、現状を維持することが、逆説的ではあるが、アメリカの関心を極東に引きつけ、在韓米軍を正当化し、日米韓の枠組みを維持し、日韓の対立を調停するために必要になる。
 これは北朝鮮が崩壊した場合の復旧や統一のコストを負担したくない日本や韓国、難民の流入や統一朝鮮出現を恐れる中国やロシア、日本や韓国へ影響力を行使したいアメリカの意向に合致する。すなわち、周辺関係国全てが、「北朝鮮の現状維持」による秩序の安定の恩恵を受けるということである。
 逆に言えば、北朝鮮の崩壊後の体制は韓国主導の統一ではなく、中国による保障占領及び、金体制を一掃しての傀儡政権の樹立が最も可能性が高いといえる。
 なぜならば、中国東北(旧満州)地方の朝鮮族人口は100万を超え、韓国主導で半島が統一されるようなことになれば、東北の朝鮮族が独立運動を起こすような事態も想定される。そのような事態を招く可能性が高い韓国主導の統一を中国は絶対に許さない。
 さらに、北朝鮮問題の当事者とはあくまで米中であり、韓国は米中間で取引される材料でしかなく、彼らには何の選択権も無い。半島国家とは宿命的にそういうものだ。
 このあたりを熟知している大韓民国の国民の3人に1人が韓国を去りたいと言っている。「チャンスがあれば移民に行く意向がある」と答えた回答者は1995年の13.9%から2001年には22.5%、2003年には31.2%へと継続的に増えており、今回の調査では35.5%に達した。さらに深刻なのは移民志向が20代が47.5%、30代が42%と若い世代程さらに強くなっている事実だ。
 国の将来を担っていく20代の半数がチャンスがあれば韓国を去りたいとしているため、韓国の将来は一体誰が責任を負っていくというのか。

<参考>
http://www.jda.go.jp/JMSDF/info/news/17news/17012201.html
17.01.22  海上幕僚監部
△ 中国海軍艦艇の動向について
 海上自衛隊第5航空群(那覇航空基地)のP−3Cは、1月22日(土)午後6時20分頃、久米島の北西 約400kmの海域を北東へ航行する中国海軍のソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦2隻及び不明級洋上補給艦1隻を確認した。

<参考>
 これはフランス人の本音。EUは長くはないだろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050114/mng_____kakushin000.shtml
EUが終わる― 『トルコ加盟』をジスカールデスタン氏ばっさり
 欧州連合(EU)への加盟交渉入りが昨年末に決まったトルコに対し、ジスカールデスタン元仏大統領は本紙のインタビューで、加盟反対論を詳細に展開した。欧州との歴史や文化、価値観の違いを強調、加盟を認めることは「EUにとって取り返しのつかないことになる」と率直に語った。(パリ・久原穏、写真も)
 ――トルコ加盟反対を主張する理由は何か。
 「宗教が理由なのではない。欧州はキリスト教徒が一番多いが、ユダヤ教徒もイスラム教徒もいて、さまざまな宗教が混在する環境には慣れている。旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナはイスラム国家だが、EUに加盟すべきだと思っている」
 「それよりも文化や歴史、価値観といった同一性(アイデンティティー)だ。現在の欧州人四億五千万人はギリシャ・ローマ時代から連なる共通の土台があり、それを守ろうとしている。トルコは大国で、その文化も評価しているが、欧州とは異なるのだ。積極的に関係を深める必要があるが、互いの文化や同一性は変えない方が良いし、トルコもそう思っているはずだ」
 ――「トルコが加盟したらEUは終わりだ」とまで言っているが。
 「仮にトルコが加盟すると(高い人口増加率から二十年後に約八千九百万人と)欧州最大の人口になる。EUの意思決定方法は人口が多いほど発言力が大きくなる。つまり最後に加盟した国が、最大の力を持つという逆説的な状態になる」
 「EUは各国が連邦制で一つの国のように統合する方向に進んでいるが、価値観の違うトルコの加盟はその欧州統合を困難にする。その意味でEUの終わりになる」
 ――米国や英国がトルコ加盟を強力に後押ししてきた。
 「英国は、フランスとドイツが中心となって進める欧州統合の方向性を好ましく思っていない。(強大な欧州を警戒する)米国もそうで、その動きはおそらく統合を妨げようという狙いだろう」
次号に続く 以上
(江田島孔明、Vol.37完)


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