◯ 世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略 VOL42
江田島孔明
インターネットの登場により、何が変わったかといえば、情報の独占がなくなり、真実が開示されだしたことだ。これは、例えば、15世紀欧州での、活版印刷によるドイツ語訳聖書の普及が清書解釈の多様化から、新教を生み、引いては近世への幕を開けたことと同じような意味があるだろう。
インターネットの時代のシーパワーとは、どのようなものだろうか。いうまでもなく、シーパワーの生命線とは「情報」だ。ランドパワーの生命線が「土地」であるのと同様に、シーパワーは情報の獲得に鎬を削り、ランドパワーに対して優位に立てる。
逆に言えば、情報の優位が保てなければ、シーパワーに未来はない。インターネットの効用として、情報の発信、流通コストが限りなくゼロに近づいたことが上げられる。ネット上では資本の規模は問題ではなく、価値ある情報を発信する者には、価値ある情報がもたらされるという双方向性も確保されている。そして、地上波メディアが、規制やスポンサーの意向に左右されるのに対して、ネットでは、自由な言論が確保されている。
ランドパワーの危険性について、最近ようやく各HPで取り上げられるようになったが、少し前までは、日本のエリート層、右翼、左翼全てにわたって中国に対する幻想、思い込みをいだいており、メディアも親中報道しかしなかったから、隔世の感がある。
私は、ネットを通じて言論活動を行っていく上で、本当に世論の変化を感じている。お人よしの日本人も、ようやくおかれた状況に目覚めつつあるといえる。
ネットの世界を現代の海とたとえるなら、そのネットに参加している貴兄らは、航海者といえる。そして、この航海者間のルールは、16世紀英国やオランダが、大航海時代に覇者となっていったような過程を通じて定まっていった、「シーパワーの掟」に従うだろう。
シーパワーの掟とは、参加者は出資者と航海者に分類され、航海の危険を負ったものに、多数の株主が出資するのだ。ネットを通じてこのような社会が形成されていくと思われる。
このような観点から、ライブドアとフジテレビの騒動を見てみると、明らかに時代の流れに逆行しており、衰退するであろう地上波の獲得に大金払うという行動が、私にはどうしても理解できない。なによりも、ライブドアは投資会社ではあっても、ネット会社として魅力あるサイトやコンテンツを提供しているとは考えられない。堀江氏は単なる山師ではないかといぶかりたくなる。
<参考>
拙著と同じような主張が随所に見られるようになりました。
http://www11.plala.or.jp/jins/newsletter2005-1.files/rashinbani200-1.htm
今月の羅針盤 専務理事・所長 阿部 正寿
◇ 日本は環太平洋共同体を目指せ
1) 東アジア共同体より環太平洋共同体を
<参考>
http://www.507.jp/index.html
ローレライを早速見てきた。なかなか面白かった。メッセージは一つ。「この潜水艦は、世界のパワーバランスを変える」だ。原爆はどの国も保有する。最後に戦争を決めるのは、潜水艦で沿岸に忍び寄り核を発射するということ。親子連れが多く、日本のSLBM保有も時間の問題だと考えられる。
冷戦期に登場した核兵器と戦略ミサイルの登場は、地政学を無用の長物にしたという意見がある。
しかし、相互確証破壊(MAD(Mutual Assured Destruction)のことであり、冷戦期に米ソで採られた核戦略である。米ソともに相手の第一撃に生き残り、相手を確実に破壊しうる第二撃能力を持つことによって、相互に核兵器を使用できない状態とした。そのために、防衛兵器を制限する必要も認められ、ABM条約が締結された。第二撃能力は主としてSLBMによって維持されるSLBMは潜水艦発射型の弾道ミサイルであり、射程に特に定義はない。潜水艦は隠密性を有しているため、これに搭載した核ミサイルは、核戦争が起きて、先にICBM発射基地を破壊されても、報復攻撃を実施できる「第2撃能力」としての効果を発揮する。現在、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国が保有しており、このうち、イギリスとフランスは核抑止力をSLBMのみとする戦略を採っている。)が達成され、核が実質的に「使えない」兵器となり、大国間の戦争を抑止したことが、結果として地政学的観点からの「封じ込め」政策を生んだといえる。核ミサイルの登場はむしろ、地政学の必要性を高めたのである。
<参考>
ようやく、軌道にのってきた。 2005年03月04日(金)
△ 空自那覇基地にF15配備へ、中国軍近代化に対応
防衛庁は3日、沖縄県の航空自衛隊那覇基地について、現在のF4戦闘機に代え、対空戦能力の高いF15戦闘機を配備する方針を固めた。 F4が老朽化していることに加え、中国の空軍力近代化に対応する狙いがある。2008年度中の切り替えを目指す。
具体的には、那覇に配備されている24機のF4を空自百里基地(茨城県)に移し、同基地のF15を20機程度那覇に移転する案を検討している。防衛庁は那覇基地のF15用格納庫などの整備費を2006年度予算案に盛り込む考えだ。
F4は1971年に導入され、現在も国内に約90機配備されている。F15は垂直上昇などの能力で優れ、中国が配備を進めているロシア製のスホーイ30などに対抗できる能力を持つ。
那覇基地にもF15を配備すべきだとの意見は以前から政府部内にあったが、「中国との摩擦を避けるため、先送りされてきた」(防衛庁幹部)という。昨年12月に閣議決定した新防衛計画の大綱や日米の共通戦略目標で、中国の軍拡について「注意を払う必要がある」と明記されるなどの環境の変化を踏まえ、F15配備に踏み切ることにした。
一方、F15の那覇配備は、自衛隊と米軍の役割分担の見直しにつながるとの指摘もある。防衛庁幹部は「米軍嘉手納基地を空自との共同使用にし、空自のF15を常駐させれば、米側のF15の削減につながり、騒音などの地元負担が軽減される可能性がある」と期待している。
△ F15戦闘機=1980年に自衛隊に導入された「第4世代」の迎撃戦闘機で、現在は千歳(北海道)、小松(石川県)両基地などに約200機が配備されている。米国製で、米国、日本、イスラエルなどで主力機とされている。最大速度はマッハ2.5。1機あたりの調達価格は約120億円。 以上
(江田島孔明、Vol.42完)
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